研修医

研修医の「週80時間残業」が激減した4年で、燃え尽き症候群はどこまで減ったのか

週80時間以上の極端な長時間勤務を行う研修医の割合が、2020年度の19.9%から2024年度には2.3%へと激減しました。

それと時期を同じくして、バーンアウト(燃え尽き症候群)の割合も21.7%から13.3%へと低下し、仕事に満足している研修医は62.3%から75.4%へ伸びています。

労働時間の短縮とともに、働く当事者の精神状態や仕事への評価が改善へ向かった動き自体は確かで、週45時間未満で働く割合も2.5%から24.7%へと約10倍に増えており、2024年4月に施行された「医師の働き方改革」を前後して、臨床現場の負担軽減が数字に表れています。

ただ、ここで注意したいのは「働き方改革の制度そのものがバーンアウトを減らした」とまで直接の因果関係を決めつけることはできない点で、この調査(4年間で計2万5,368人が回答)は、同じ研修医を4年間追跡調査したというものではありません。

年度ごとに回答している対象者が異なっているうえ、この4年間は新型コロナウイルス感染症の流行状況が激しく揺れ動いた時期でもあります。

診療負担そのものの変化や社会情勢の推移が、研修医の負担感に強く影響した可能性も排除できないとはいえ、労働環境の改善と当事者の状態変化がこれほど明確な相関を見せた事例は貴重なものとも言えます。

労働時間の縮小という枠組みの変化だけでなく、過労の低減や満足度の向上といった定性的な健康状態まで併せて変化したプロセスは、医療現場の課題を捉えるうえで大きな示唆を含んでいます